絶大な人気を博した『隠密剣士』の、設定を一新しての新シリーズ。
徳川二代将軍・秀忠の時代、家康の孫であった松平信太郎は、禅寺にて育てられ、政治とは関わりのない生活を送ってきた。信太郎はある日、忍者集団に襲われ傷ついた一人の忍者を救う。その男・賀夜猿は、伊賀の抜け忍だというのだ。おりしも信太郎は、大御所・家康の命を受ける。家康は、秀忠を擁する本多上野介が政治の実権を握り、伊賀忍者を用いて非情な政策を行っている現状を憂いていた。「自分に代わって天下の悪を処断し、政治の誤りを正してくれ」という願いに応え、正義をなすために信太郎は旅立つ。
主人公である隠密剣士・松平信太郎は荻島真一が演じ、今作は時代劇に青春ドラマの雰囲気を加味した作品に仕上がった。一方、脇を固めたのは、相棒となる賀夜猿として前作で霧の遁兵衛を演じた牧冬吉、赤目十人衆を率いる宿敵・赤目幻幽斉には、前作でも悪役を演じた天津敏と、シリーズを踏襲する形となった。
1970年代前半は、アニメ『赤胴鈴之助』、ドラマ『笛吹童子』など、マンガやラジオドラマでかつて一世を風靡した剣劇・時代劇ヒーローが次々リメイクされた時代だった。本作は12話で物語が一旦終了したのち、『隠密剣士突っ走れ!』としてリニューアルされた。
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